旬の野菜をたっぷり収穫してきちんと保存する。
干し野菜はそんな昔ながらの知恵。
干し野菜といえば、思い浮かぶのはしいたけや大根ですが、たいていの野菜は干し野菜にすることができます。
昔の人にとって、干し野菜の最大のメリットは、長期保存できること。野菜を干して水分を抜き、日持ちがするようにすることで、旬になるとたくさん取れる野菜を無駄なく残さず使えるようにしたんですね。
天日干しはその手軽さから、世界中で活用される保存法のひとつです。冷蔵庫にあまっている野菜、使いきれずに捨ててしまった経験はありませんか?
ピーマン一個でも手軽に干し野菜にしてしまえば、次に使うときまで保存することができますね。
さらに乾燥した野菜は冷蔵庫に保存する必要がありませんので、保存場所も選ばず省エネです。
日光に当てて野菜の良いとこギュギュッと濃縮!
一般的に広く知られている干し野菜、「切り干し大根」や「干ししいたけ」。長期保存できて手軽にお料理に使えることで、常備しているというお家も多いのでは。
これら市販品の干し野菜はほとんどが「熱風乾燥」されたものです。これも干し野菜に違いはないのですが、じつは、干し野菜のスゴさはお日様に当てることで発揮されるのです。
お家で干し野菜を作るときはぜひ天日干しをして下さい。しいたけに含まれるビタミンDは、紫外線によって作られます。調理前の数時間お日様に当てるだけでも、ぐんっと栄養価が高くなりますよ。
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他にもビタミンB群・カルシウム・鉄分・ナイアシン・食物繊維が含まれている野菜は、紫外線に当てることで栄養価がアップすることがわかっています。
たとえば、同量の生大根と切り干し大根の栄養価を比較してみると、食物繊維は約16倍、鉄分は48倍!まさに美味しさも健康もギュギュっと濃縮されているんです!
さらに野菜が温められることで、含まれている酵素が活性化して糖類を生成し、甘みが増すといわれています。
働く女性の味方。お手軽時短調理も魅力の一つ。
干し野菜は、干すときに切って干すので、調理の段階では下処理の手間が省けます。
さっと水洗いをしてそのままフライパンにいれる、おなべにいれてスープにする。野菜の水分が抜けている分、火が通りやすく味がしみやすいので、時間がかかる煮物も短時間で仕上げることができます。
干すことで糖類が生成され、生野菜にはないうまみ成分をたっぷり含んだ干し野菜からは、美味しい出汁が出ます。干し野菜を使うだけで、料理の味が格段に美味しくなりますよ♪
また、炒め物に使えば野菜から余計な水分が出ることがないので、シャキシャキ食感の美味しい野菜炒めが作れます
おうちで簡単に作る干し野菜
まず野菜をカットしていきますが、野菜を切るときはできるだけ切り口を大きくすると水分の蒸発が多く、早く乾きます。
大根やにんじんを干し野菜にするときはできるだけ皮も一緒に干してしまいましょう。皮にたくさん栄養が含まれています。
水分の多い野菜は、乾くのに時間がかかってしまいカビたりするので干し野菜に不向きですが、トマトは種を取り除けば干し野菜にすることができます。うまみが凝縮されたドライトマトは、イタリア料理の定番になっていますね。
ごぼうやレンコンのアクの強い野菜は切った直後に酢水につけて、アクを抜いてから干すと変色しません。葉物はさっとゆでてから水気をきって干すと、早く乾燥します。キノコ類は軽くふいてから石づきをとって、ばらばらにほぐすか、薄切りにして干します。
切った野菜をざるなどに並べて、できるだけ日当たりと風通しのいい場所へ。1日で干しきれないときは、一度取り込んで、翌日もう一度外に出します。野菜の表面がシワシワになってくるくらいまで、繰り返しましょう。
ホコリや虫が気になるときは、市販のネットもありますので、こちらを活用してください。
■材料
とりもも肉 1枚
お好みの干し野菜各種
(しいたけ 5g、ごぼう 20g、レンコン 20g、にんじん 10gなど)
しょうゆ、みりん、各大さじ1杯
水100cc
とりもも肉は小さ目の一口サイズに切り、熱したフライパンでしっかりと焼き目をつけます。
ある程度火が通ったら干し野菜を投入します。干し野菜がすこししんなりするくらいまで炒めたら、水100cc、みりん、しょうゆを各大さじ1杯入れます。
水分がなくなるくらいまで煮つめてできあがり。
干し野菜からでるうまみで、調味料は少なめでも美味しく出来上がります♪
野菜から出る水分もなく全体的に汁気が少ないので、焦げ付きには注意しましょう。