目のかゆみ、鼻のムズムズ、くしゃみ、ひどいときには皮膚のかゆみ・・・。
花粉症を抱える人にとって、憂鬱な季節がやってきました。
2018年の花粉飛散量は全国的に多く、前シーズンの2倍の地域もあるとか。
しかも、日本で最も多い花粉症の原因となるスギ花粉から始まり、ヒノキ、イネ、ブタクサと夏頃まで花粉のシーズンは続きます。
これは、ツライ・・・
花粉症を引き起こす原因は、花粉に対する「抗原抗体反応」によるものです。
「抗原抗体反応」とは、人間が持つ免疫機能のことで、もともと、細菌やウィルスなど、私たちの体内に入ってくる病原体から体を守ろうとする反応のこと。
ところが時に、食べ物や花粉など、無害なものに対して反応してしまうことがあります。これが、アレルギーと呼ばれる花粉症の原因なのです。
「抗原抗体反応」により過剰に分泌された「ヒスタミン」などの化学物質が、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみといった症状を引き起こしてしまいます。
つまり、花粉症を和らげるためには、アレルギーを緩和し、ヒスタミンなどのアレルギー物質の分泌を抑える必要があるのです。
実は私たちの免疫機能の60%以上が腸に集中しています。
腸は、全身の免疫システムにとって、とても大切な臓器です。
腸内では、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が活躍し、免疫細胞が働きやすいように環境を整えていてくれています。
これらの善玉菌を摂り入れる事はもちろん、善玉菌が住みやすい環境に腸内を整えることで、免疫バランスが保たれ、アレルギーの緩和に役立つのです。
腸内の環境は急に治せるものではありません。
日頃から食生活に気を配り、来年の自分のために体質の改善を図りましょう。
では、実際にどのような食生活が花粉症の改善に役に立つのでしょうか。
まず大切なことは、一年を通じて主食・主菜・副菜のそろった栄養バランスの良い食事を心がけること。その上で、花粉症対策のポイントを抑えた食材選びをすることです。
腸内環境を整えて善玉菌を味方に。
■発酵食品
味噌や納豆、酢、醤油、チーズなどいわゆる発酵食品は、腸内環境を整える作用があります。
以前、でりかeyeでも特集した
日本人の食卓にぴったりな発酵食品(http://www.delicasai.co.jp/eye/27/index.html)は、ぜひ毎日取り入れたい食品です。
善玉菌を含んだ乳酸菌飲料やヨーグルトなども効果的です。
■野菜・果物
とくに緑黄色野菜には粘膜を強くする働きのあるビタミンAが含まれています。また、善玉菌は食物繊維をエサにして増えていきます。腸内の善玉菌を増やすには、食物繊維を積極的に摂りましょう。他にも善玉菌がエサにするのはオリゴ糖。食物繊維とオリゴ糖がバランス良く含まれる優秀食材には、きな粉やゴボウ、バナナ、インゲン豆などがあります。
アレルギーの原因となるヒスタミンをおさえる食べ物
■甜茶(てんちゃ)
甜茶は中国原産の甜葉懸鈎子(テンヨウケンコウシ)と呼ばれる植物の葉から作られるお茶で、いくつか種類がありますが、パッケージを確認して甜葉懸鈎子100%のものを選び、毎日続けて飲んでみましょう。アレルギーの緩和が見込めます。
■青魚
サバやイワシ、アジなどの青背の魚にはアレルギーの炎症を抑制する良質な脂、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれています
これらも積極的に摂りたい食べ物です。
ダイエットの敵は花粉症の敵。
肉汁したたるお肉や、お菓子やジュースなど大量の砂糖を含む食べ物はダイエットの敵ですが、花粉症の敵でもあります。脂肪分の多いお肉は腸内環境を悪化させる要因となります。
また、アルコールが肝臓で分解されるときに出るアセドアルデヒドがアレルギーを悪化させてしまう可能性があることも解っています。
高脂肪食とアルコール・・・。魅力的な組み合わせではありますが、ダイエットのためにも、花粉症改善のためにも、できるだけ回避したいものですね。
また、食生活の改善は食べ方からも可能です。
例えば、身体の冷えは免疫機能低下の要因にもなります。年間通して暖かい飲み物や汁物で、身体を中から温めましょう。
また、しっかり噛むことで唾液の分泌を促進し、最近の侵入を防ぐとともに、免疫力アップを測ることができます。
そして、何よりも、食事は楽しく。
食生活改善をあまり考えすぎてもかえってストレスになってしまいます。
食事は楽しく、リラックスして摂ることで、胃腸の動きが活発になり、消化・吸収がスムーズになれば、免疫力アップにつながりますよ。
シーズンになると、「花粉症に効果がある」などの触れ込みで、一部の食材が品薄になったりする現象もありますが、単一の食材を食べたからといって、花粉症が治るわけではありません。
普段から栄養バランスの整った食事を取ることを心がけ、少しずつ体質を改善していきましょう。
植物に含まれている抗酸化物質のフィトケミカルは、免疫細胞を活性酸素から守り、免疫細胞の活性化に役立ちます。
フィトケミカルは色の濃い緑黄色野菜やきのこ、香りの強いにんにくやネギ、海藻類などに多く含まれています。